世界一過酷なヨットレース「ヴァンデ・グローブ」に挑む白石康次郎が、求める道具とは
    
    
    
    
    

単独・無寄港・無補給の世界一周ヨットレース 「ヴァンデ・グローブ」に挑み、アジア人初の完走を成し遂げた白石 康次郎氏。「ヴァンデ・グローブ」を完走した「DMG MORI Global One 号」の船内にて、過酷なレースを振り返ってもらいつつ、道具選びの基準について、『TORQUE』の話も交え、掘り下げてもらいました。貴重な船内写真も必見です。

Profile

白石 康次郎(Kojiro Shiraishi)
プロセイラー/海洋冒険家
1967年5月8日 東京生まれ 鎌倉育ち。
少年時代に船で海を渡るという夢を抱き、高校在学中に単独世界一周ヨットレースで優勝した故・多田雄幸氏に弟子入り。レースをサポートしながら修行を積む。 1994年、当時26歳で、ヨットによる単独無寄港無補給世界一周の史上最年少記録(当時)を樹立。その他数々のヨットレースやアドベンチャーレースでも活躍。2021年2月、「ヴァンデ・グローブ」でのアジア人初の完走を達成。

1. 一人で、どこにも寄らず、誰からの援助も受けられない
2. 完走を確信できたのは、ゴールする10分前
3. 道具は命を守る

一人で、どこにも寄らず、誰からも援助を受けられない
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© DMG MORI SAILING TEAM 「ヴァンデ・グローブ」中の洋上にて

単独・無寄港・無補給をルールとし、世界一過酷なレースといわれる「ヴァンデ・グローブ」は、1989年より4年に1回開催されています。コースは、フランスの大西洋岸のヴァンデ県「レ・サーブル=ドロンヌ」の港を出発、大西洋を南下し、喜望峰を回り、インド洋、さらに南太平洋へ。南米のホーン岬と南極の間にあるドレーク海峡を抜け、再び大西洋を北上し、「レ・サーブル=ドロンヌ」に帰還。南半球1周およそ2万6千マイル(約4万8000km)を、ただ一人で全長60フィート(18.28m)の外洋レース艇を操って帆走し、タイムを競うものです。

世界一周を完走した「DMG MORI Global One 号」

僕がこのレースにアジア人として初めて参戦したのは、2016年の第8回大会。この時は、南アフリカ・ケープタウン沖でマストが折れ、無念のリタイヤ。
続く2020年の第9回大会に再び挑み、アジア人初の完走を果たすことができました。94日21時間32分56秒。16位でのフィニッシュでした。34、5年にわたる夢でしたから、ほんとうにうれしく、晴ればれとした気分を味わえましたね。

完走を確信できたのは、ゴールする10分前
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「ヴァンデ・グローブ」感動のゴールの瞬間 ©KSRacing & Yoichi YABE

フィニッシュまでは、誰も手出しができない。だから、トラブルに見舞われても、自力でなんとかするしかない。このレースでも、スタートから1週間で嵐に遭い、メインセールがまっぷたつに破れてしまい、「もう終わったかな」と。こんな時、僕は船を安定させることを最優先します。たとえコースを外れてでも、安定したところに船を出して、修復作業を行う。ただでさえ不安定な海の上、かつ船を操りながら片手での作業になりますから。破れたセールを貼り合わせ、あげるまでに6日かかりましたが、その後、ゴールまでセールは無事でした。こうしたトラブルへの対処に、それまで4回の単独世界一周の経験が活きたのです。
また、レースではスタートとフィニッシュが、特に危険です。岸に近づくほど、漁船などの航行も増えますから。実際、今回も先頭グループを走っていたドイツの選手が、ゴールまであと7時間というところで漁船に衝突、リタイヤを余儀なくされました。まさか、が起きてしまう、それがレースなのですね。だから、僕も、ゴールする10分前に、ようやく完走を確信しました。

道具は命を守る
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僕にとって、道具選びはものすごく重要です。船には限られたものしか積めません。必要なものをすべて載せたら、重くなってスピードが出ませんから。何を積んで、何を下ろすか、が完走するための大きなポイントになります。ウエア一枚とっても、体温を保ってくれる、命にかかわるものなので真剣に選びます。今回のレースには、『TORQUE G02』をPCのバックアップ用に持っていったのですが、GPSなどの機能が遭難時などの救いになります。しかもタフ。船で使うには、防水性能はもちろん、ジャンプ時の耐衝撃性、80%を超える湿気、40℃の高温、0℃の低温でも使えなくてはなりません。気圧変化により機器が膨らみ、冷えた際に隙間から水を吸ってしまうことがあるのですが、そうした現象も起きず、世界一周の間よくもってくれました。いざという時も『TORQUE』がある、というのはとても心強かったですね。この「ヴァンデ・グローブ」に耐えられるものは、どこに行っても耐え切れる。それが、僕の結論です。


「DMG MORI Global One 号」 の船内

次回は白石 康次郎さんのヨットとの出会い、海への思いを語っていただきます。お楽しみに。

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『TORQUE 5G』の詳しい情報はこちらをご覧ください

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